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masoomの服づくりは、いつも「布」から始まります。
どんなデザインにしようかと考える前に、まず目の前にある布を見て、触って、感じる。

「なんか、いいなあ」って思う布に出会うと、そこからイメージが広がっていきます。
柔らかさ、ハリ、色、光の反射、織りの揺らぎ……そのときの直感みたいなものを大事にしています。
生地からデザインを起こすというと、「特別なこと」と思われることもあるけれど、
私にとってはとても自然な流れです。
機織り会社に勤めていた頃、毎日目の前に現れる多種多様な織物に、
「織物ってこんなに表情があるんだ」と驚きと感動をもらっていました。

そこから、
「この織物にしかできない服をつくってみたい」と思うようになったのです。

今もmasoomでは糸選びや織りの組織から考えることもあります。
自分が感じた布の可能性を、服としてちゃんと届けたい。
そのためには、落ち感を生かすためのパターンや、光の当たり方が映えるようなシルエットに仕立てていきます。
もちろん、既製の生地を使うこともあります。
でもそのときも、服に「当て込む」のではなく、
その布がいちばん活きる形を探すようにしています。
つくりたい服があるから布を探す、というよりも、出会った布から、masoomらしい服が生まれていく。
これからも私は、
まず布と向き合うところから、服づくりを始めていきたいと思っています。
masoom designer :masumi