masoomデザイナーmasumiは、群馬・桐生の機織り現場に勤めていました。その頃毎日のように目にしていたのは、数え切れないほどの魅力的な織物たち。
太い糸、細い糸、光る糸、素朴な糸——。組み合わせや設計次第で、同じ素材でもまったく違う表情を見せる。その奥深さに魅せられて、気づけば織物の世界にどっぷりとのめり込んでいました。
"このまちには、すばらしい生地が、まだたくさん息づいている。もっと多くの人に、織物の魅力を知ってほしい。"
そして、できることなら、私に元気をくれた繊維産地に、何か還元できたら——。
そんな想いから、masoom(マスーム)は始まりました。
私自身は、ずっと人生にうねうね迷ってきたタイプです。
でも、ある日ふとしたきっかけで、織物の世界に出会い「好き」を追いかける生き方の楽しさを知りました。
その原体験が、masoomものづくりの源になっています。
だからmasoomの服には、「ちょっと踏み出してみようかな」という気持ちに寄り添いたいという想いが込められています。
うねうねしたカーブラインのパターン、ちょっと不思議な生地感、既製服にはないリズム。
一歩を踏み出すきっかけは、大きな変化じゃなくていい。
小さな挑戦が日常に溶け込むような、そんな服をつくっています。
デザインの起点は、いつも「布」
自分の目と手で選んだ糸から生地を開発し、そこから洋服のかたちへと落とし込んでいきます。
設計の中にフリーハンドで曲線を描きながらつくるのが私のスタイル。
自然や日常から拾い集めた“うねり”や“ひっかかり”を、そのままラインとして服に写しています。
masoomの服が似合うのは、自分のペースで、少しずつ前に進んでいる人。
心の奥に静かな「自分軸」を持ち、誰かに見せるためじゃなく、自分のために服を選ぶような人です。
目指しているのは、
「masoomをきっかけに、一歩進むことができました」と言われるようなブランドになることです。
このまちの繊維文化と、自分自身の感性を掛け合わせながら、これからも服をつくっていきます。