masoomの服には、よく“うねうね”としたカーブラインが登場します。
見た人に「なんでこの線なんだろう」と言われることもあるけれど、自分でも正直はっきりと説明できないところもあります…
でも、ひとつだけ言えるのは— その線が「自分の中から出てくる形」だということ。
私は普段CADソフトを使わず、フリーハンドで型紙を引いています。

細かく数字で管理された線じゃなくて、柔らかさと手の動きで引いた“間”が残るようなライン。
そういう線の方が、masoomの服には合う気がしているんです。
思い返せば、うねうねの線に惹かれたのは
桐生の山道を歩いているときだったかもしれません。
自然の中の曲がり道、木の枝の曲線、風に揺れるカーテンのふくらみ。

まっすぐじゃない形って、なんだか“心地よいリズム”がある気がする。
迷っていたり、たゆたっていたり。でもちゃんと前に進んでいる感じがして、私はそういう線に安心するのかもしれません。
パターンを引くとき、ふと引いた線をそのまま使うことがあります。
意識よりも感覚で、「こっちのほうが、らしいな」と感じたときは、その線に素直に従ってみる感覚です。
それが、masoomのうねうねライン。
人から見れば“曖昧”に見えるかもしれないけれど、私にとってはすごくまっすぐで、納得のいく線です。

曲がりながら、前に進む服づくりの記録。
これからも、すこしずつ書き起こしてみます。
masoom designer : masumi